〔 2017年12月号(2017年12月10日発行)・詩「落ち葉掃除」 〕

碧い風 目次



  


 落ち葉掃除

 早朝
 公園の落ち葉掃除に行くと
 前夜―
 風がどちらからどちらに吹いていったか
 はっきりとわかる
 風の向きに合わせて
 落ち葉が遠くまでたくさん散らばっているから     

 落ち葉をかき集めているうちに
 何だか
 風に巻き込まれていくような
 気持ちになった


                (久野雅幸)

  
  
 
  
  

〔イラスト:東海林 風夏(ふうか) さん 高校2年〕


〔作者からひとこと〕
 風そのものは目に見えないわけですが、風に動かされたり、風に運ばれたりする、さまざまなものによって、人は「風を見る」ことができます。風見鶏など風見の役割で作られた物はもちろんですが、雲や花びら、鯉のぼり、落ち葉、雪、などによって。そして、「花鳥風月」と言うように、また、「風物」、「風流」、「風情」、「風雅」と言うように、人が「風」に「おもむき」を感じるのは、考えてみれば、不思議なことです。

〔作者からもうひとこと〕
 詩集未収録の詩です。
 イラストは、「風に巻き込まれていくような」という詩の中心となる言葉に的確に焦点を当てて、描いてくれました。