旧トップページ・２０１５年４月〈２０１５年４月１日～５月５日〉



　 　 　


　　 トップページプロフィール書いた詩など読んだ詩など詩のことなど掲示板
　　 リンク集ポストポストポスト
　　


　　　　はるか 　　立ち上がって 　　どれほどたった時からだろうか　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ぼくたちが 　　―はるか 　　と向かい合うように 　　なったのは 　　たとえば犬は 　　―はるか 　　を知っているだろうか 　　あるいは 　　猿であれば 　　―はるか 　　を知っているだろうか 　　 　　ぼくたちは 　　ふだん 　　―はるか 　　と正面から向かい合おうとはしない　　　　　　　　　　 　　時間の区切りをつけて 　　暦に向かい 　　空間の区切りをつけて 　　地図に向かう 　　 　　そして 　　―はるか 　　と 　　ぼくたちとの間には 　　風景が 　　まるで必要な障壁のように 　　置かれている 　　　　　　　　 　　―はるか 　　がぼくたちの 　　内側にあるものなのか 　　それとも 　　外側にあるものなのか 　　はっきりと答えを出すことは　　　　　　　　　　　　 　　案外 　　難しい 　　―はるか 　　から来て 　　―はるか 　　へと行く 　　そう思えるということが 　　ぼくたちにとって 　　幸せなことで 　　あるのかどうか 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（久野雅幸） 　　＊「暦」に「こよみ」とルビ。「―」は、本来２文字分。