〔 2017年10月号(2017年10月8日発行)・詩「交差点」 〕

碧い風 目次



  
  交差点

  通りにそって歩いてゆく人
  と
  空によりそってたたずむ人             
  と

  いっしょになって
  立っていた

  空の高く
  晴れ上がった日の
  人通りの多い
  交差点では


       (久野雅幸 詩集『帽子の時間』所収)

  
  
 
  
  

〔イラスト:小松 恋(れん) さん 高校2年〕


〔作者からひとこと〕
 「秋になって空が高くなる」ということは、地域によって、差があるようです。例えば、天童市と仙台市とでは、仙台市でのほうが、空の高さがはっきりとして、秋になると空がほんとうに高く、深くなるように思われます。この詩の発想を得たのも、実は仙台市でのことです。
 この詩を読んで、「空の高く/晴れ上がった日」には「空によりそってたたずむ」ことに共感していただければ、作者にとって幸いなことです。

〔作者からもうひとこと〕
 「空によりそってたたずむ」という言葉を得てはじめて成り立った詩です。
 イラストは、「空によりそってたたずむ人」の姿を描いてくれました。イラスト中の人物が、空の高さ、深さを感じとっていることが伝わってきます。