「サンデータイムス」紙に連載された、21回分の「碧い風」を、「Web詩集 碧い風」として、ここにまとめることができました。
「サンデータイムス」紙への連載は、2019年2月号をもって終えましたが、連載終了の原因は、私(久野)が、月一回のペースで掲載用の詩を作り続ける自信をもつことができなかったためです。
掲載する詩については、次のような条件がありました。
① その月に合った季節感を表す詩であること。
② 紙面上の与えられたスペースに収めることが可能な詩であること
③ 一般の人が読んでも、理解し、魅力を感じることができる(と考ることができる)詩であること。
④ 「気づき」や「ならではの内容」をもち、読み手の感性と想像力にうったえかける力をもった詩であること。
①~③の条件は、「タウン誌にコーナーを設けて季節感を表す詩を掲載する」以上、当然の条件と思います。④の条件は、私自身が詩の書き手である自己の信条としてもち続けているものです。
連載スタート時は、①~④の条件をクリアして掲載用の詩を作り続ける自信がありました。このHPにおいて、同じような趣旨で、トップページの詩と、トップページ以外の1ページを使っての詩・エッセイ(のような文章)を書くことを、すでに1年以上行っていたからです。②の条件については、HPに掲載する際は配慮する必要がないわけですが、何とかなるだろうと思っていました。
結果的に、連載終了の決断をするに至ったのは、②と④の条件を両方クリアした詩を月1回のペースで新たに作り続けることはできないと考えたからです。2018年10月号に掲載した詩「天」を最後に、手持ちの詩は尽きている状態でした。連載を続けるのであれば、「新しい詩を作り続ける」覚悟が必要でしたが、②の条件がないのであればともかく、②をクリアして④を満たす詩を月1回書き続けることはとてもできない、と考えました。
もっとも、③、④の条件を満たすことが本当にできていたのかどうか。自分ではわかりません。④の条件を満たす詩であれば、その詩を理解し、魅力を感じとるためには、読み手にある程度の、もしくはある種の、「感性と想像力のはたらき」が必要になります。実際のところ、③と④を両立させることは、企画のスタート段階で私が考えていた以上に難しいことであったように、いま思われます。そもそも、私の詩が④のような詩になっているのかどうかも、自分では判断しきれません。そういう詩になっていると信じて書き続けるしかありません。
②の条件にしても、「サンデータイムス」紙の、担当の武田さんにご苦労をいただいたおかげで何とかなっていたものの、「無理を通す」ようなお願いを重ねていた、というのが実情であるように、思われます。
イラストについては、担当してもらう詩についてイラスト制作者に私が説明したり、あるいは、イラスト制作者と私が話し合ったり、ということはいっさい行いませんでした。「この詩でお願いします」と詩をおあずけして、条件も何もなく、どういうイラストにするかはイラスト制作者に完全におまかせしました。
結果として、イラストは、詩の内容を説明したり補完したりするようなものではなく、もちろん関連はしているものの、「詩は詩で、イラストはイラストで味わう」ことができるものになっている、と思います。
イラストを担当してくださった、二つの高校の生徒さんと顧問の先生に、ここであらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
一つめの高校の生徒さんは、「まえがき」にも書きましたが、全員が2019年3月に高校を卒業しています。これから、元気に、幸多い人生を進んでいかれることを、心より念願しております。
二つめの高校の生徒さんは、今後とも創作に励み、感性を大事にして、技量と創造性をいっそう高め、「会心の作」を制作することができるよう、活動に取り組んでください。応援しております。
結びになりましたが、サンデータイムス紙(キンダイ通信社)の担当の武田さんには、本当にお世話になりました。ますますのご活躍とキンダイ通信社様のいっそうのご発展をご祈念申し上げます。
2019年3月31日
久野雅幸