旧トップページ・2014年3月〈2014年2月26日~3月29日〉



キクザキイチゲ  エンゴサク
エンゴサク ニリンソウ
アズマイチゲエンゴサク


   トップページプロフィール書いた詩など読んだ詩など詩のことなど掲示板
   リンク集ポスト




  引用


  ―「全然OK」です。
  と若者ことばを
  「 」付きで
  すなわち
  引用の意識で使いながら
  ふと思う
  ことばというものは
  つまり
  引用で広まっていくものなのではあるまいかと            

  「ダサい」や
  「ウザい」

  「アイデンティティ」や
  「パラダイムシフト」

  「ママ シッコ」の
  「ママ」に
  「シッコ」

  「月がきれい」の
  「月」
  「が」
  「きれい」
  も





  引用によらずに広まったことばが
  はたして
  何か一つでもあるだろうか

  自分自身について―
  私たちは
  知らず知らず
  たくさんのことばを引用している
  例えば
  こんな具合に
  「わたし」
  「は」
  「なに」
  「を」
  「やっ」
  「て」
  「も」
  「うまく」
  「いか」
  「ない」
  「だめな」
  「やつ」
  「だ」

  自分についてあらゆることばの引用をやめてみる           
  「わたし」を「わたし」という
  そのことばの




  引用まで

  空に近づいたような
  軽い意識と
  落ち着いた呼吸―
  心臓が動いている

  (いらない引用なんてしない。しても、すぐに捨ててやる。)

  そう決めて
  空をあおぐ

     *  

  あれは
  いったい誰が残していったのだろう             
  塀の外に茎を伸ばして花を咲かせた
  数本のバラの木
  その花の下に落ちている
  一つの「     」
  もしかしたら
  その人は
  やめたのかもしれない
  バラの花を見て「うつくしい」と言う
  そんなことばの引用さえ
                        (久野雅幸)


〔写真の説明〕
  写真は、向かって、上段右、中段左、下段右がエンゴサク、上段左がキクザキイチゲ、中段右がニリンソウ、下段左がアズマイチゲ。撮影場所は、アズマイチゲ以外は、前回のトップページで紹介した、天童市内の、以前はスキー場として使われていた山の斜面です。アズマイチゲは、その場所へ行く途中の道ばたに咲いていました。
  前々回のトップページに写真を載せたカタクリや、上記の草花は、早春の時期に姿を見せて、夏には姿を消してしまうということで、「スプリング・エフェメラル」、日本語では「春の妖精」と呼ばれることのある草花たちであるようです。たしかに、いずれも、そう呼ばれるのにふさわしい可憐な草花だと思います。
  下の写真は、その場所に行く途中で撮ったもの。写っている道の道ばたに、アズマイチゲが咲いていました。

里山の道
 
Copyright©2013 Masayuki Kuno All Rights Reserved.