旧トップページ・2014年4月〈2014年3月29日~4月29日〉



「 置 賜 さ く ら 回 廊 」 の 桜 た ち


 

〔釜の越桜(かまのこしざくら)〕  品種:エドヒガン 樹齢:約800年





〔薬師桜(やくしざくら)〕  品種:エドヒガン 樹齢:約1200年





〔赤坂の桜(あかさかのさくら)〕  品種:エドヒガン 樹齢:約970年




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  聖域(サンクチュアリ)


  橋の向こうに見える
  あの
  三つの
  大きな木の梢

  高くかかった橋の
  さらに
  その上に突き出た
  あの
  三つの木の梢は
  橋の下から橋の高さをこえて伸びた            
  三本のポプラの木の梢で

  ここから見ると
  あれらは
  まるで
  中空に浮かんだ
  三つの島のように見える

  うたがいなく
  あそこは
  空を飛ぶ
  鳥たちのための
  領土なのだ







  地上よりははるかに高く
  雲の流されて行く空よりは低い
  あのあたり
  高い木々の梢が
  ゆったりと風に吹かれている
  あの高さ

  あそこが
  鳥たちの聖域(サンクチュアリ)―

  風に乗る
  ヨットよりも軽やかに
  鳥たちは
  あの
  島の間を飛び回る

  (―マチ
   と呼ばれる場所を作って
   私たちは私たちの聖域(せいいき)を守ることに     
   懸命だが)

  ―わたることはできない
  私たちには
  あの鳥たちの聖域(せいいき)に







  機械で空を飛ぶことはできても
  あるいは
  木を切り倒したところで

  あそこは
  ついに
  私たちが
  足を踏み入れることのできない場所なのだ           

                       (久野雅幸)
  
   ※(   )内の「サンクチュアリ」「せいいき」は、本来ルビ。

〔写真の説明〕
  山形県の南部、置賜(おきたま)地方には、長井市や白鷹(しらたか)町を中心に、樹齢が500年を超えるとされる桜の古木があちこちにあって、「置賜さくら回廊」と呼ばれています。写真の桜は、どれも白鷹町のものですが、長井市にも、「伊佐沢の久保桜」や「草岡の大明神桜」などがあり、その二つの桜は、ともに国指定の天然記念物です。
  「古典桜」と呼ばれる、それらの桜には、美しさに加えて、古木ならではの「風格」、「孤高」とも言えるたたずまいがあり、花の咲く時期には、会いに行きたくなります。見ごろとなるのは、例年、四月の末から五月の初めで、大型連休と重なります。とはいえ、当然のことながら、開花の時期は、年によって異なるので、会いに行こうとお考えの方は次に述べるホームページで花のようすをご確認ください(今年は、例年より、開花が早いような気がするのですが、どうなのでしょうか)。
  詳しくは、長井市や白鷹町の観光協会のホームページをご覧ください。



〔釜の越桜〕の幹


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