旧トップページ・3月〈2013年3月7日~3月26日〉


一月末の木の芽 廊下に差し込む三月の日差し


   二月の光は


  二月の光は梢にとまる

  そうして
  告げる
  もう目をさますべき時だと
  預かったことばを告げる
  使命をもった
  鳥のように

  (光は語らないのに
   なんと多くのものたちが
   光からことばを受けとることだろう)

  「め」が開かれはじめる
  今はまだ固くとざされた
  「め」のまぶたの内側で
  開かれればいっぱいに光を受けとめるものが
  動きはじめる

  とまった光の中に
  とまりに来るものなどもいて
  これから
  梢は
  だんだんにぎやかになっていく
    
                           (久野雅幸)