旧トップページ・2015年10月〈2015年9月24日~11月8日〉



大蕨の棚田  大蕨の棚田  

大蕨の棚田  大蕨の棚田


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  足もとまで


  地の上を
  低く飛んでいる
  小さな
  チョウ
  羽を開けば
  薄紫色
  閉じれば
  薄茶色の
  シジミチョウ
  足もとの高さの
  小さな
  草花の間を
  あちこち
  飛び回りながら 
               
  この小さなチョウにとっては            
  カタバミが
  唯一
  卵を産みつける対象であり
  幼虫の食草となる植物なのだ

  わたしたちの足もと
  地上数センチの高さが
  いまは



  いつになくにぎやかだ
  このチョウ―
  ヤマトシジミが
  さかんに
  飛び交い
  飛び回るので

  飛ぶものたちが
  それぞれに
  高さを分かち合っている

  空高く
  鳥が
  その下を
  トンボが
  (公園で空をあおいだとき
   木の上のあたりを
   飛び回る
   たくさんのトンボに驚いたこと)         
  軒の高さにハチが
  目の前をモンシロチョウが
  そうして
  足もとを
  ヤマトシジミが




  わたしたち
  足もとまですっぽりと空につつまれている      
                     
                  (久野雅幸)
   
 

〔トップページの写真〕
上の写真。どれも、山形県東村山郡山辺(やまのべ)大蕨(おおわらび)の棚田の写真です。稲刈りのあと、刈り取った稲を天日干しにするため、田の周囲に打ち込んだ杭に稲を掛けます。稲を掛けた杭が、田の周囲に整然と並ぶようすがみごとで、「日本の棚田百選」に選ばれています。
写真は、2014年9月23日に撮影しました。

下の写真は、ヤマトシジミの写真です。向かって左の写真は2014年9月28日に、右の写真は2015年9月22日に撮影したものです。撮影場所は、どちらも、自宅の隣にある駐車場のはしの草むらです。草むらと言うのもためらわれる程度にしか草が生えていないのですが、カタバミが生えているので、毎年、9月20日ごろには、ヤマトシジミの飛び回るすがたを見ることができます。
なお、向かって左の写真に写っている植物がカタバミです。

ヤマトシジミ  ヤマトシジミ