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上の写真。向かって左は、「センリョウ(千両)」、向かって右は、「キミノセンリョウ」です。
11月の下旬に、京都に行く機会があったのですが、その折に、東福寺の境内から入った、「臥雲山 即宗院(がうんさん そくしゅういん)」という寺院の近辺で撮影したものです(撮影日:2015年11月21日)。
正月の縁起物として知られるセンリョウが、あたかも自生しているかのように(自生ではないのではないかと思いますが)、生えて実をつけているようすが、印象に残りました。黄色い実をつけるセンリョウ(キミノセンリョウ)は、初めて見ました。
即宗院の境内には、次の写真のように、「マンリョウ(万両)」もありました。葉の上に実をつけるのがセンリョウで、葉の下にたくさん実をつけるがマンリョウ、のようです(ちなみに、「カラタチバナ」を「ヒャクリョウ(百両)」と言い、「ヤブコウジ」を「ジュウリョウ(十両)」と言うようです。どれも、正月をはさむ寒い時期に赤い実をつける植物ですね)。
ところで、センリョウもマンリョウも(ヒャクリョウ、ジュウリョウもそうですが)、常緑広葉の木です。
今回、11月下旬の京都に行って、強く感じたのが、「常緑広葉の木の豊かさ」です。
「常緑広葉の木の豊かさ」ということばには、「常緑広葉の木がたくさん生えている」ということと、「常緑広葉の木が豊かさを感じさせる」ということと、二つの意味をこめています。
サザンカ(山茶花)の花は、花で冬の季語となる、数少ない花の一つですが、東福寺の境内や周囲に“豊かに”花を咲かせていました。次に写真を載せます。
山形県でも、生け垣などに、サザンカの花が咲いているのを見ることができますが、山形では“寒いのによく頑張って咲いているなあ”と、けなげさを感じるのに対して、京都のサザンカは、“ゆうゆうと、自然と咲いている”と感じさせるものでした。花自体が、山形で見るものより大ぶりに思われたのは、種類が違うのか、気候のせいなのか、単なる気のせいなのか……。とにかく、サザンカも、常緑広葉の木です。
同じく「冬の林」と言っても、「裸木(はだかぎ)と針葉樹」ばかりの北国のそれと、西日本のそれとでは、言葉の「内容」が違うのではないか、などと考えた次第です。