久野雅幸のページ
                
詩を書くということ


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新年を迎えて

  年が明けて、2014年が始まりました。
  年頭にあたり、次の詩を。
 

   さみしい

 

  時計を見て
  職場に向かい
  時計を見て
  待ち合わせの場所へと急ぐ
  そのとき
  金星において
  火星において
  時間は何のために流れているのか             

  少なくとも
  この太陽系では
  ぼくたちだけが
  時間を刻み
  時間に意味を見出そうとしている―
  たぶん

  一秒を計り
  一日を過ごし
  一年を思いやって

  星から時を与えられ
  月から時を与えられ
  太陽から時を与えられて

  時間とは
  天からの贈り物なのだと気がついても
  ぼくたちは
  結局
  地上の出来事にいそがしい








  (?と時計をつくることで
   ぼくたちは
   時間をつかまえたのか
   それとも
   時間につかまったのか)

  宇宙は認識されることを求めているのか
  もしかしたら
  ぼくたちは
  そのためにこそ生まれてきたのではあるまいか
  すなわち
  さみしい宇宙の認識者たるべく

  もしも宇宙がさみしがったりはしないとしたら
  ああ
  それならば どうして
  ぼくたちは
  さみしいなんて気持ちを覚えてしまったんだろう      
 
 

                    (久野雅幸)  
           
          ※「―」(ダッシュ)は、本当は二字分の長さ。

 

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